【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
ギャハハハと下品な笑い声が公園内に木霊した。


ふざけんな! と言って襟首を掴みたいくらいムカついたが、茜の肩が震えているのに気づくと、怒りはスッと収まった。


今、俺の後ろには茜がいるんだ。下手に喧嘩したら茜が危険になるだけだ。茜を守らないと……



「あれ? よく見るとこの子、可愛いじゃん」



 茜の肩がビクっと上がると、俺の制服の裾を力強く握った。



「ねぇ、欲求不満ならさぁ、俺らが解消してやるよ」



 ヤンキーが茜の肩に手を触れた途端「茜に触んな!」とヤンキーの手を叩き振りはらっていた。



 その瞬間、空気が凍りついた。ヤバいと思ったが、もう後の祭りだ。覚悟を決めるしかない。
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