君のそばに
「あ…じゃあ借り物の内容を確認します…。」
と、ゴール前に待ち構えていた体育祭委員が言った。
嘉賀くんは私の腕を掴んだまま委員の人に紙を手渡した。
いい加減、腕離して欲しいんですけど……。
委員の人はその紙を見るなり、驚いたように目をパチクリさせていた。
私はどうか自分の予想が外れる事を祈った。
自分でも何で祈ってるのか分からない。
周囲の視線がプレッシャーになる…。
すると、意を決したように委員の人が口を開いた。
「…えっと、じゃあ……え〜……これはちょっと確認しようがないので……え〜……ここで証明して頂けますか……?」
…証明…!!?
証明って何…!?
何するの!?…っていうか何されるわけ!?
大体、私の気持ちを無視して、みんな好き放題しないでくれる!?
巻き込まれてる私自体、状況が把握出来てないんですけど…!
すると私の腕を掴む力が一層強くなった。
私はびっくりして私をここまで連れて来た張本人を見た。
何を
証明するって言うの……?
嘉賀くんは太陽と周囲からの熱い光線を受けながらも、その落ち着きを崩す事なく、
私が目を反らせないくらいの強い眼差しを向けて
こう言った。
「オレは、伍棟が好きだ。」