君のそばに
次の日から私は早速、大量の課題の山に取り掛かることにしたんだけど……。


全くペンが進まない…。



「全然分からない〜…。」


私はペンを投げ出し、そのまま後ろに倒れ込んだ。


課題に向かってわずか5分…。
我ながら諦めるのが早過ぎると思う…。


でも、そう思うのは仕方ない。



だって課題の内容が難しすぎるんだもん!こんなの私が出来るわけないじゃん!そこんとこを先生たちも考えて課題出して欲しいよ!


勉強をしていれば解ける問題だろうけど、馬鹿な私には何やら古代文字に見える…。

あ〜…頭痛い…。


完全に諦めた私は寝転がったまま、テレビの電源を入れた。


「何やってるんだ?」


だらし無い体勢でテレビを見ていた私は不意に聞こえた声の方に目をやった。

するとそこには、少し目をパチクリさせ、私を眺める嘉賀くんがいた。



「ああ、勉強中だった?」


課題の山に視線を注ぎながら嘉賀くんが言った。


「そのつもりだったけど、何か難しくて…。」


「ふ〜ん…。
…あのさ、オレが教えてやろうか?」


不意に嘉賀くんはそう言った。


そして私が言葉を発するより早く、嘉賀くんはテーブルの上の課題を一つ手にした。



嘉賀くんが真剣な眼差しで黙々とページをめくりあげるのを見ていて、ふと私はある事に気がついた。


「嘉賀くん、そういえば清水さんはどうしたの?」



そうだよ!何か変だと思ってたら清水さんがいないんだ。
私の中では『嘉賀くんある所に清水さんあり』という概念が出来上がっていた。


そういえば、嘉賀くんとまともに話すのって体育祭以来じゃない?
清水さんの目を気にして、嘉賀くんとしばらく話してなかったよね。
別に気にすることはないけど、…でも、…清水さんと約束したし、第一清水さんの気持ち知っちゃったから、何か気が引けるんだよね。



「ああ、何か風邪ひいたらしい。」

嘉賀くんは課題の本から目を離し、チラッと私を見て言った。


へ〜…清水さんが風邪って、何か珍しいよね。

多分、清水さんが一番この旅行楽しみにしてたハズだから、何ていうか可哀相だな…。

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