君のそばに
次の朝

早速、体育祭の種目について話し合うことになった。


私も体育祭委員だというのに、何故か自分の席について説明を聞いている。


だって、4人も前に出て説明するほどのことでもないじゃん。

な〜んて、勝手な理由をつけた上に、清水さんに説明をしてもらう事になった。

言い換えれば、押し付け!?


でも清水さんは嫌がる事なく引き受けてくれて、それも分かりやすい説明をしてくれている。


あ〜本当に清水さんはイイ人だよ。メチャメチャ優しいよ。


私としては仲良くなりたいんだけどな〜…
でも…実春はああ言うし…。



私は自分でチラ見する事が多いな、と実感しながらも、左2つ斜め後ろの実春を横目で見遣る。



実春は眠いのか、首がうなだれていた。

太陽の光に当てられた実春の明るい茶髪が、キラキラと輝いている。



すると、私の視線に気付いたのか実春は眠そうに目を擦り始めた。


そして上目使い気味に私の方を見た。



目が合った!




咄嗟に私は目を反らし、『あんたなんか見てないよ、外を見てたんだよ』という風を装って、自然な流れで体の向きを黒板に向けた。




…って何、無視してんの?私!
無視する必要なんてないのに、自分でも何がしたいのか、分かんないよ!

あ゙〜……実春、意味不明だよね。演技だって、バレたかも…!


とりあえず、気にしないでね…。特に深い意味はないからさ…。


私の背中に感じる実春の視線に、ひたすらそう訴えた。




本当に何がしたいんだよ、私…


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