君への距離~クリスマスの奇跡~
ガチャッ…


杏がゆっくりとカギをあける。


玄関には履きふるした翼のスニーカーが置いてあった。

杏の顔が輝く。

「ただいまぁ-!!」



「…」



返事はない。


杏は不思議そうにリビングに入る。



「あ…」


翼はフローリングの床にそのまま寝ていた。



(ベッド使えばいいのに!)


杏は思わず笑ってしまう。


そしてそっと毛布をかけて、キッチンで静かに料理を始めた。





(疲れてるんだなぁ…)




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