君への距離~クリスマスの奇跡~
杏がポテトサラダを作りながらハンバーグを焼いていると、おいしそうなにおいにつられて翼が起きてきた。




「うっわ、めっちゃうまそう!」

翼が杏の後ろからフライパンを覗き込む。



「あとちょっとだよ、あっ翼くん大根おろして!」


「えっ、どうやんの?」




「あ~…



やっぱ翼くん、向こうで待ってて!」


杏は呆れて笑う。

翼も笑う。



「ごめん、ごめん!じゃあここで見てる。」


「え~、見てられると緊張するよ!」




それでも翼は料理をする杏の後ろ姿をずっと見ていた。




何かを思い詰めるように…



瞼に焼き付けるように…





< 28 / 224 >

この作品をシェア

pagetop