君への距離~クリスマスの奇跡~


まだ辺りは真っ暗。


杏は翼にギュッとくっついて、自転車は緩やかに進む。

着いた先は大学。

まだ学校はしまっていた。


自転車を置いて、フェンスをヒョイッと越える翼。



辺りを見回して、翼がオッケーサインをする。



杏も軽くフェンスを越える。




ストンと着地すると、翼が感心したように言う。



「さすが、杏ちゃん!」



「翼くんこそ!」


二人は笑い合って、グランドまでかけっこした。




< 82 / 224 >

この作品をシェア

pagetop