君への距離~クリスマスの奇跡~
まだ辺りは真っ暗。
杏は翼にギュッとくっついて、自転車は緩やかに進む。
着いた先は大学。
まだ学校はしまっていた。
自転車を置いて、フェンスをヒョイッと越える翼。
辺りを見回して、翼がオッケーサインをする。
杏も軽くフェンスを越える。
ストンと着地すると、翼が感心したように言う。
「さすが、杏ちゃん!」
「翼くんこそ!」
二人は笑い合って、グランドまでかけっこした。