君への距離~クリスマスの奇跡~




深夜3時


杏はアパートの入口の階段に座っていた。

黒のパーカーに濃紺の陸上用のウインドブレイカー、グレーに赤ラインのジャージ、白いマフラー。

完全防備だ。



しばらくするとこちらも練習着姿に白地に赤ラインの部のウインドブレイカーをひっかけ、黒いネックウォーマーをした翼が自動車に乗ってやって来た。




「お待たせ!」

寒くてピンクがかった頬を緩ませ翼がはにかんで笑う。



「…へへ」

杏もつられて笑う。




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