君の隣で ーセンセイとアタシー


俺は満足そうに俺の作った食事を食べている和奏の笑顔を見るだけで、笑顔になってしまう

もちろんにやけた顔なんて見せたくないから、さり気なく新聞を上げて隠すんだけど


「美味しい!葵衣さん料理上手!」


なんて満面の笑みで俺の心臓はノックアウト

もちろんK.O!


…て、馬鹿かよ俺


「ご馳走さまでした」


時間もないから早々に朝食を済ませて、いつものように俺が先に出る


「いつものところで待ってるからな」

「うん、すぐに追いかけるから」


和奏はケチャップを口元につけたまま俺を見送ってくれる


「いってら…」


朝からやられてしまった心臓の敵に、和奏を引き寄せて口元のケチャップを奪ってやった


「なっ!なななっ!?」


和奏の焦ったような、照れたような真っ赤な顔


「行ってきます」


ノックアウトには出来なかったけど、十分敵は討てた

かな?




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