君の隣で ーセンセイとアタシー


「ほら髪の毛ボサボサ」

「え?…あ、うん…」


まだどこか寝ぼけている和奏の長い髪をブラシで梳いた

和奏は洗面所の鏡ごしに俺を見ていた


「なんか…可笑しいよ…」

「ん、何が?」


俺は着々と和奏のボサボサだった髪が真っ直ぐサラサラに変えていった


和奏は少し戸惑いがちに目を泳がしている



ふふん、今日は和奏を甘やかすんだ


和真おじさんも悩んでいた和奏の甘えられない『大人っぽさ』

でも、せめて俺だけにはワガママを言ってほしい
俺だけには甘えてほしい


これは俺のワガママ




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