君の隣で ーセンセイとアタシー
そうして疑問を持ち続けている和奏に答えることなく、アクセルを踏み込んで目的地に向かった
俺たちの住む都心から1時間
海岸沿いの街に着いた
「海に来たかったの?」
「まぁ、ね?」
ここが目的地と思ってる和奏が助手席から降りた
俺もエンジンを切って降りた
「うわぁ~、海だぁ~」
誰も見られない、知らない、という解放感が和奏の本来の可愛い笑顔が海の反射で輝いている
サンダルを脱いでまだ冷たい海水と戯れている
それはもう子供のように
砂浜でそれを見ていると和奏の近くに幻が見えた気がした
『ママ、パパ』
と呼んでいる未来の我が子