偽りの代償
俺の知らないゆいのことを後藤は・・・


「あいつとは幼馴染なんだよ・・あいつ・・小さい頃から病気を抱えていてまだ子供だったのに・・難しい手術をしてさ・・それ以来、激しい運動とか制限されていたんだ・・小学校のころは体育はできず、見学だった・・そのときは周りもまだ理解してくれる人が多かったからよかったけど、中学にあがると、事情を知らないやつとか理解してないやつが多かったから、体育を休んだりするたびに、ほんとはもう治ってるのに仮病だという嫌なやつが多くて嫌がらせ受けることがあった。

事情を知るやつはいたけど、庇うのは難しくて・・それであいつ・・親や病院の先生に無断で何度か体育を出たんだ・・そして身体が苦しくなることを続けた途端、倒れて救急車で運ばれた・・あと少し処置が遅ければ死んでたくらいだったらしい・・・


そのことがあってからやっと周りがゆいの事情を理解してくれたけど、その分、周りから一線をひかれる扱いを受けるようになった。


酷い嫌がらせはなくなったけど、病人あつかいで・・気を使われる・・それがゆいには辛かった・・どこかに遊ぶにも誘われることはなくて、当然、恋もできないって諦めていたんだ・・ゆいはそれなりに可愛いいのに、自分におしゃれなんて似あわないって、地味にしてさ・・高校には自分のことを誰も知らないとこに行くと決めていたんだ。」




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