宇宙少女観察記



まぁ、

なぜ、俺の家にむかっているかというとだな。

決して自ら連れ込もうとした訳ではないのだ。

誤解のないようしっかりと説明しておきたい。

誤解のないようにな。

大事なところなので二度言ったが。


〜〜〜〜〜


「ほう、いたいけな少女をこの扉のないアパートの一室に置き去りというわけか。なるほど。見上げた根性だ。」


「くっ…これを狙っていたなこの悪魔めっ…」


「宇宙人だ」


「うるさい。だまれ!」


「そもそもお前が悪くなかったか今の!」


「扉を蹴破ったのは貴様だろう。私はなにも悪くなかったと思うんだがー…。えぇ。」


「なにその口調!腹立つなチクショー!!だからそーいう流れまで引っ張ったのはお前だろ!」


「ではあえてきかせてもらうが乗っかって流されたのはどこの誰かね。」



「…………」



俺だった…。



己の馬鹿を曝したようで忍びないのだが話さずにはいられないこの悔しさが諸君にわかるだろうか。



そしてこれだけでは終わらなかったのだ。


「な、なにが望みだ…」


「泊めろ」


「ストレートだなおい!」


「うるさいぞ…となりの田中さん怖いっていってるだr…」


ダンダンダンダンッ!!!!









「………え?」







「あー…ついに怒らせてしまったようだな…。ご愁傷様。」




壁を内側から叩く音が続いたかとおもうと、スモークガラスをべたべたべたべた…と音をたてて何度も手が這っていくのが目にとびこんだときには危うく失神するかと思った。




「か、杜若。…迅速に支度をして下りてこい。」


「ラジャー。」



そんなわけで階段を下りていく俺の後ろで杜若がほくそ笑んでいるのなんて知るよしもなく、

晴れて俺は、この自称宇宙人というなの悪魔をいともあっさりと自宅へ招き入れることとなったのだ。



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