黒猫-私は女王-
「天宮さんはヘリを見つけた後、どうしたんですか?」

伊井田は訊いてみる。
念の為だ。

「見張ってた」

天宮からは素っ気無い言葉が返ってきた。

「どんなヘリでしたか?色とか、、、」

「真っ黒」

伊井田は嫌な予感がした。

「僕が見たヘリも黒でした。もしかすると黒猫が逃亡したヘリの可能性があります」

伊井田には一瞬天宮がニヤリと笑った様に見えた。

「よく見張っててバレませんでしたね」

「だって私のヘリだもん」

その言葉に伊井田は全身凍りついた。
今、隣に歩いているのは心臓を抉り取った黒猫。
あの時部屋で見たのは、やはり天宮だったのだ。
でも何故逃亡したのに、また姿を現したのだ?
その答えは直ぐに解った。

「貴方がバラさなかったのは予想外だったけど好都合。私の部下から報告があって飛んできたのよ、、、貴方の為に」

天宮、イヤ。
黒猫は不適な笑みを浮かべる。
天宮は、いつの間にか、右手にナイフを握っていた。

「今度はいつ喋るか判んないから貴方には、、、死んで頂くゎ」

黒猫は、じわりじわりと伊井田に近寄って来る。
伊井田は後退りするが、直ぐに壁にぶつかってしまった。
伊井田は再び死を覚悟する。

「最後にナゾナゾの答え教えてあげる」

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