─ Alice ?─




「うわあぁああ!!!」



涙が 止まらない。


もう誰にも会えない
そんな気さえした。


会えたとしても
それは私を
手に入れようとする
シロウサギのような
住人たちだろう。



ならばいっそ…─



そんな考えが
頭をよぎった。






『じゃあ、死ぬ?』





!!!






声の方を振り返る。



そこには見覚えのある
赤い髪の兎耳少年。




「白、兎…。」




白兎はニコニコと
笑顔を崩さずに
私に話かける。




『ね、アリスは死ぬの?』




よくもまあ笑顔で
恐ろしいことを…




『ね、アリス。死ぬなら
お願いがあるんだ。』




いや、死なないよ!!



恐ろしいことを
サラリと述べる白兎に
腹が立ってくる。




「死なないわよ。
でも、お願いって??」





お願いを
きく・きかないは
別として、
少し気になった。




白兎は
待ってましたとばかりに
満面の笑みを浮かべ



私に 手を差し伸べる。






『僕 ね
欲しいものがアルの。』
< 114 / 397 >

この作品をシェア

pagetop