─ Alice ?─
「嫌だ!!ママ!!
ママ…ひとりにしないで!!」
分かっていたのに
理解したくなかった。
「煩い煩い煩い!
お前なんて要らないんだよ!」
ドンッ
思い切り突き飛ばされ
地面に叩き付けられる。
「いたっ…痛いよ…ぐずっ…」
暴力を受けても
母のことを求め続けた。
唯一の家族だから。
ひとりになりたくなかった。
泣きながら地面に伏せる
我が子なんて気にせず
階段を登っていく。
「嫌あ!!いかないでえ!!」
母の服を掴み、泣き叫ぶ少女をみて
胸騒ぎがした。
チェシャ猫との記憶を
思い出したときのような─
「……あんたなんか
産まなきゃよかった。」
ドンッ
「きゃっ!!」
勢いよく突き飛ばされ
階段を転げ落ちた。
ダダダダダダダン!!
「うっ…ひとりにしな、いで…」
意識が遠退いていく
孤独は近づいてくる
そして訪れる絶望感。