─ Alice ?─
─ 家 族 ─
その言葉は私にとって
とても重い言葉だった。
「家族なんて…
すぐに消えちゃう。
ママみたいに…いなくなっちゃ
『僕はアリスの味方だよ?』」
当たり前のようにそう
キッパリと言い放ち、
優しい笑顔で私を見る。
ふわふわの黒髪に
真っ白な肌
瞳の深藍は私の辛苦を
吸い取っているよう。
ただ、真っ黒のローブに
身を包んでいるため
いまいち姿は確認しづらい。
「お兄さんの目…
吸い込まれちゃいそうな
くらいキラキラ!」
楽しそうに笑い少女は言う。
『やっと笑ったね。』
「えっ!?」
『…やっとアリスの笑顔を見れた。』
ドクン ドクン
「黒兎お兄さんのおかげかな?」
ドクン ドクン
『アリスの笑顔の為なら
なんだってするよ?』
胸が 高鳴る 。
「本当?
…じゃあ、ありすのお願い、
聞いてくれる?」
鼓動は 速く脈打つ。
『アリスの望みなら
なんだって叶えてあげるよ。』
思い出したよ。
お兄さん。
私ね…ありすはね、
「ずうーっと、ありすのこと
好きでいてくれる?」
お兄さんに恋をして
しまっていたんだ。