─ Alice ?─
「お帰りなさい、アリス。」
目を開けると湖の畔だった。
「……あと少しなのに。」
あと少しで、分かりそうなのに。
私の、記憶。
この国の 秘密 。
「アリス。私の持つ欠片はこれだけです。次はクローバーの所へ向かいなさい。」
クローバー?
「えーっと…クローバーさん?」
「深き森の奥…リーフたちの甘い囁き響く緑の広場。そこに求めるものがあります。」
深き森…………
また森!?
「はあ…」
正直しんどい。森は嫌い。
「…送って差し上げましょうか?」
私の暗いオーラを察したのか、
スペードさんが提案をしてくれた。
「はいっ!お願いします!」
「この私がっ♪素敵なアリス~貴女を優雅に送り届けてあげましょう~。」
…やっぱり1人の方がいいかな。