─ Alice ?─


湖を進むと、また森だった。

しかしどうしてこの国はこんなに森が多いのだろう…



八割ぐらい森なんじゃないだろうか…



それにしても



「ちょっとスペードさん煩いんですけど!!!」


さっきから美しい~♪だの優雅~♪だの自惚れ讃歌独唱中のスペードさん。


正直煩い以外の何者でもない。



「もう私一人で行くので結構です有り難うございましたさようなら!!!」



一方的に別れを告げ、走り出す。

こうなったら無理矢理別れてやる!!


「嗚呼!素敵なアリス~♪
私の美しさから逃げないで~♪

そしてリーフの囁きに騙されないで~♪」




追い掛けるどころかまた太陽の光をスポットライトと勘違いし、
キメポーズをしているスペードさん。


面倒くさい。



「はい分かりましたまた会う日まで!!」



ダッシュでその場を離れる。
もう嫌!!ナルシストも俺様も私は大嫌いなのよ!!



そういえばキングは元気かな…



そんなに日がたつわけではないけれど、色々ありすぎて長い期間会っていない気がする。



「はあ…なんか疲れたな…」



ここに来てから気が休まることがない。
特にチェシャ猫が離れてしまってから…



「チェシャ猫…」



何故だろう。寂しい、とか疲れた、とかマイナスな感情が出てくるとチェシャ猫を求めてしまう。

私にとって、チェシャ猫って存在はとても大きい。

狂ってしまっても、私はやっぱりチェシャ猫を求めてしまう。




─ ア リ ス 。

チェシャ猫 に 会いたいの ?



「えっ!?」



─ 会わせて あげようか ?

君 の 求める チェシャ猫 に 。
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