─ Alice ?─



『帰ろうアリス。僕らの世界へ。僕らだけの世界へ。』



そう、僕らだけの不思議の国へ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────。











『おかえり。アリス。僕らの不思議の国へ。』



目を開くと見慣れてしまった光景が広がっていた。


血で汚れた地面。

焼き枯れた木々。


そして笑顔の黒兎お兄さん。




『帰ってきたよ。君の望んでいた世界に。君の欲しかった愛情に溢れた



ありすとぼくだけのせかいに。』




       ド ク ン 。



『やっと、やっとだ…やっとありすが僕だけのありすになるんだ。寂しい思いはさせないから安心してね?もう、前みたいにありすを悲しませたりしないから…』



感極まったように震えながら、強く私を抱き締める。


前みたいに、悲しませたりしない。



私には何のことだか理解できなかった。



『……アイシテいるよ。アイシテいるよ、ありす。僕はいつでも君だけのことを想っているよ。』



耳元で囁かれた甘い言葉。



だけど何故?





私の中に込み上げてきたのは愛しさなんてものじゃない




私の中には悲しみだけが込み上げてきていた。
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