─ Alice ?─
「………違う。」
『ありす?どうしたんだい?違うって…一体「違う。」』
自分でも何を言っているのか分からなかった。だけど一つだけ、分かってしまった。
『どうしたんだい?折角こうやって僕らだけの世界が実現しようとしているのに…何が、気に入らないんだい?』
「どうして私を見てくれないの?」
微かに感じていた違和感。
甘い言葉。優しい態度。
愛を感じられた。愛故に私の周りの人たちを傷つけ、殺した。
なのに
「ねえ、貴方は何を見ているの?」
この人が本当にアイシテほしいのは───
『僕はありすだけをアイシテいるよ?いつも僕にすり寄ってきて、僕の言葉だけを信じて、僕のことを想ってくれるありすだけを…──!!!』
「私が、いつ、貴方にすり寄っていった?私が、いつ、貴方の言葉を信じた?私が、いつ、貴方のことを
アイシテいる、なんて言ったの?」
黒兎お兄さんが見ているのは私なんかじゃない
まだ幼くて
愛なんて知らなくて
黒兎お兄さんが唯一の居場所だった
むかしの、わたし。