社員寮でラブ!
壁下さんの旅立ち!レナ待ってます!待ってますけど・・・
そうして

それから

壁下さんの旅立ちの日まであっと言う間に過ぎ・・・

旅立ちの朝―――

「今日だよね?」

本当に今日行ってしまうのかと思うほど

いつもと同じ様子で

「何?」

新聞読みながら朝食中の壁下さん

もちろん海パン姿

「何時に出るの?」

「10時ごろかな。」

壁下さんを見送りに行きたい。

だけど今日は、平日で・・・

「ほら、そろそろ時間だぞ。」

何だか嬉しそうな父、並木鉄太が言う。

こんなに娘が淋しい気持ちでいるのに・・・

「分かってるってば。」

それでもここを動きたくない私に壁下さんが

「着いたら電話するよ。レナちゃん、ちゃんと遅刻しないで会社行くんだよ。」

って

なんでそんな普通にいられるの?って

思っても

これから一人で九州に行く壁下さんに心配かけたくないし

わがまま言いたくないし

「じゃ・・行って来ます。」

壁下さんの隣の椅子から立ち上がりそばに置いてあったバックをノロノロと手に取り

そんな私に座ったまま壁下さんが

「いってらっしゃい忘れ物ないね?」

って

「壁下さんもね。」

私の方が後ろ髪引かれる思いで食堂を後にし・・・・


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