奇蹟のはじまり
「だけど、次の日に行っ

たら婚約者の声だったん

でしょ?」

『うん、それが気になる

よね。もしかしたら、本

当に死者に逢えたのかも

しれないって思い始めて

る。潤くんの木なら何が

あっても不思議じゃない



死者に逢える場所―。

じゃあ、俺も逢えるのだ

ろうか。ずっと逢いたい

と思ってた奴に。

『明日行ってみようか?



智は俺が考えてることに

気付いていました。

「そうですね。明日行っ

てみましょうか。久々に

潤くんにも会いたいし」

潤くんに会いたいってい

うのも嘘じゃなかったけ

ど、いかにもつけたした

感じになってしまいまし

た。
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