奇蹟のはじまり
『人違いです。僕は大野

くんのおじいさんの知り

合いではありません』

一瞬、その場に張り詰め

たような緊張感が生まれ

ました。

永遠とも思える沈黙の後

おじいさまは深くため息

をつきました。

『そうだったね。何度も

同じことを聞いてごめん

ね。じゃあ、君が雅紀の

ことを知ってた理由を聞

いてもいいかな?あの手

紙の存在は今日まで誰も

知らなかった。どうして

、君は知ってたの?雅紀

の言伝とはどういう意味

なんだろう?』

おじいさまの真剣な瞳に

松本くんは一瞬考えまし

た。だけど、それはこれ

から話すことを整理する

ためのようです。
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