奇蹟のはじまり
手紙
雅紀Side
和也様が役人に連れてい
かれて一ヶ月が経とうと
していました。
千恵さんも奥様も表面上
は何でもないことのよう
に振る舞っています。
『心配することは何もあ
りませんわ。疑いが晴れ
れば、すぐに帰ってきま
す』
千恵さんはいつも自信を
持ってそう言いました。
だけど、僕は知っていま
す。
千恵さんが夜こっそり家
を出て、近くの神社でお
百度参りして和也様の身
の安全を祈っていること
を。
奥様にしても、毎日警察
に出向き掛け合っていま
した。
だけど、話を聞いてもら
うことはおろか面会すら
させてはもらえませんで
した。
和也様が役人に連れてい
かれて一ヶ月が経とうと
していました。
千恵さんも奥様も表面上
は何でもないことのよう
に振る舞っています。
『心配することは何もあ
りませんわ。疑いが晴れ
れば、すぐに帰ってきま
す』
千恵さんはいつも自信を
持ってそう言いました。
だけど、僕は知っていま
す。
千恵さんが夜こっそり家
を出て、近くの神社でお
百度参りして和也様の身
の安全を祈っていること
を。
奥様にしても、毎日警察
に出向き掛け合っていま
した。
だけど、話を聞いてもら
うことはおろか面会すら
させてはもらえませんで
した。