奇蹟のはじまり
『あれではまるで国賊扱

い』

ある日奥様がご立腹のて

いで帰って来ました。

『どうでしたか?』

千恵さんも俺も奥様に和

也様の様子を確認しまし

た。

『どうもこうもありませ

ん。事態は変わらないし

、良い方向に進むどころ

か…』

話していた奥様がはっと

したように口をつぐみま

した。

「何か悪いことになって

るんですね?」

さすがに千恵さんにその

一言を言わせることは出

来ず代わりに僕が聞きま

した。

『対したことではありま

せんよ。少しだけ帰りが

遅くなるかもしれないと

いうことです』
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