偽りの仲、過去への決別
今現在は、たくさんの情報が、入り乱れている。だからその気をだせば、たくさんの武器を手に入れることができる。 大人も子供も、人間関係は、複雑怪奇だ。育ちも考え方も違う人間が集うからだ。 確かに、武器を手に入れることは必要だ。 しかし、たくさんの武器に振り回されてはいないか。 自分を見失ってしまったら、元も子もないからだ。 人間は、どんなに頑張っても、過去には戻れない。しかし思い出すことはできる。 自分の感情や理性にもっと忠実であったはずだ。それが、人間の本来の姿なのではないか。 辛いことや、悲しいこと、楽しいこと、すべてにおいて、学ばされることではなく、学ぶことではないのか。 人間関係に損得がついてまわる。しかし友人や好きな人に、自分が描く損得を受け入れてくれるだろうか。 彼は金持ちだとか、人生が有利になるのか、友人や好きな人に求めることの、虚しさは、自分の心の空虚が全面に出てくる事である。 本当に、大切な事は大人だろうが、子供だろうが同じだ。 大人のほうが、大切なものを忘れていることのほうが多い。 友達とは仲良く。好きな人は大切に思う心。何事も学ぼうとする積極性。 潜在意識に埋もれていても、体の一部として永遠に生き続けるのだから。 カズは、幼い頃から嫌な思いばっかりだった。 しかし、世の中に背中を向けることはなかった。 カズは、父親の仕事の関係で、転勤が多く、色々な土地に住んだ。 最初からいつも人間関係を築いていかなければならなかった。今までの友達が過去の人間になっていく寂しさを、いつも味わっていた。 次の場所で、簡単にすぐ友達ができなかった。 人の輪になかなか入っていけない自分がいた。 学校に慣れ顔見知りなってから、やっと友達になれた。 カズは、簡単に友達ができるとは思ってはいなかった。 誰とでも仲良くできるわけがない。カズは、その土地の人間より、はるかに、不利な条件で、人間関係を築いていかなければならなかった。