偽りの仲、過去への決別
親達はいつか自分の子供が、被害者になることを恐れる。 まさか加害者側になるなんて思いもしない。 今の親達、大人達こそ子供達に無関心を装うことをやめ、きちんとしたコミュニケーションを子供達と始めないと何も変わらない。 どんなにシステムを改善したところ、そんな簡単に人の考え方が、改善されることはない。 もっと根が深いところに問題点が隠されている。ほとんどの人間はそのことに気付いている。 そのことを実践することが難しいことも。 だから嫌なことは、人任せにして、責任逃れをする。仕事や大人達の人間関係では、当たり前のことを、家庭の中では当たり前のことではなかった。 しかし今の時代、社会の常識、非常識が、家庭の家族の常識を壊している。 守られたはずの自分の居場所が、いつでも社会の常識非常識にさらされ、親達や大人達は、自分の考え方を封じ込め、親子関係の希薄化が始まってしまった。 結局、親達は一番大切な人間関係を、責任逃れし、子供のことがわからなくなってしまった。 大人達が個人の考えに、目覚めないかぎり何も変わらない。 松山にとって、カズは当たり前のことが幸せということを教えてくれた。 どんなに困難なことでも、子供心でありながら、真剣に考えているカズが凄いと思った。 松山は、松山なりに、よけいなことでカズに心配かけたくなかった。 別に斯くつもりもなかった。 松山自身にこんな思考回路が生まれたことが、カズの影響なのだ。 カズと喧嘩するつもりなどなかった。ただお互いに意地になっているだけだ。 謝る機会を、松山は探していた。 隣りのクラスの恭子を好きになったことがそもそも喧嘩の原因だった。 松山は、休み時間を利用しては恭子の様子を伺いにいった。最初の頃は、カズを連れて行っていたが。 謝る機会を、松山は探していた。 隣りのクラスの恭子を好きになったことがそもそも喧嘩の原因だった。 松山は、休み時間を利用しては恭子の様子を伺いにいった。最初の頃は、カズを連れて行っていたが。