偽りの仲、過去への決別
要するに、ヒロとは、表面的には、真逆の存在だった。 ヒロは、金持ちが嫌いだった。理由なんてなにもない。ただただ嫌いだった。 恭子に、松山から聞いた洋二のことを話した。 ヒロは松山が、恭子に振られて、ヒロのクラスに来なくなった腹いせに、恭子に復讐したが、全然すっきりしなかった。 ヒロは学校の帰り道、松山とカズを見かけた。 ヒロは考えた。帰り道は、松山とカズと同じ方角だ。 ヒロは毎日松山とカズの後をつけて行った。最初のうちは偶然を装うことができるが、毎日だとさすがに松山もカズも気になりだした。 ヒロに何らかの計算があったわけではない。ただ松山に相手をしてほしかっただけだった。 ヒロはいつも後ろから2人を見ていた。 松山とカズはとても仲良く見えた。相性がいいのか、心と心がきっちりと結びついているのか。 ヒロには間に入ることも、話しかける隙間もなかった。 ヒロが諦めかけて時、おもわぬ事態が起こった。 それは、ヒロにとって千載一遇のチャンス到来だった。 ヒロの目の前で、2人が喧嘩をやり始めたのだ。 松山もカズも、凄い勢いで言い争いをしていた。 ヒロは、ただ戦況を見つめていた。
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