偽りの仲、過去への決別
カズの自分のことを包み隠さず話してくれた。 結衣はいつも衝撃を受けていた。 動揺を表に出さないようにしていた。 カズはそんな結衣を見てなぜか微笑んでいた。 カズの苦労を結衣は理解しようと必死な思いでカズの話しを聞いた。しかし、だからと言って結衣には、何も力になることができなかった。 カズと仲良くなると、クラスメイトの視線がいつも2人に注がれていた。 結衣は気になってしょうがなかったが、カズは全然気にせずに結衣に話しかけてきた。 結衣は特に、松山と洋二がいつも近くにいることが気になってしょうがなかった。 松山に関しては後ろめたさを感じていた。いつも松山はカズを涙目で見ていた。 結衣は松山から大切なカズを奪った思いがしていた。 洋二は、いつも結衣を不思議そうな顔をして見ていた。 時々怪訝そうな表情も浮かべていた。 結衣はカズと少し距離を置こうと思ったりした。 実際1日だけ実行した。 カズからの話しかけに上の空で答えた。するとカズは、結衣に話しかけて来なくなってしまった。 結衣はすぐに後悔した。第一自分から話しかけて無視するなんて罪悪感を覚えていた。 結局、周りの人間の視線に負けて、自分の居場所を確保したいだけだと結衣は思った。 カズはきっと結衣の心情を読んで話しかけることを止めたことが結衣にもわかっていた。 多分このままだと、カズはもう結衣にはなしかけてこないだろう。 結衣は焦っていた。 結衣は自分の過ちを悔いいるようにカズに話しかけてみた。 「ねえ~、今度うちの食堂に食べにこない。」 結衣は勇気を振り絞って言った。 カズは驚いた。女の子の気の移り変わりに翻弄されていた。