偽りの仲、過去への決別
それだけクラスの中は洋二に何事も優位に働くようになっていた。 洋二自身は無害でも、その裏側にみんな恐れをなしていた。 結衣にはわからなかった。なぜみんながそんなに洋二を煙たがるのを。 それだけクラスのみんなが人間関係において大人なのかもしれないと思い、結衣自身があまりにも子供ぽいじゃないのかと悩んでいた。 その時、結衣の隣りの席にカズがいた。結衣は転校生のカズが魅力的に見えた。 余所者のカズはクラスメイト達とは、一線を引いていた。 普通だったら、結衣の概念からすると転校生は自分から友達を作ろうとして話しかけてくるはずなのに、カズはそんな気配もみせなかった。 クラスメイトに笑われても、一向に平然としていた。普通なら苦笑いするか、いじけた態度をするのが相場なのに、カズは違った。 結衣にとって、カズは結衣自身の悩みの答えを示してくれる存在に見えた。 いつの間にか、カズは松山と仲良くなっていた。結衣は松山に先を越された思いがした。 クラスメイトには、一目置かれる存在になっていた。 早く自分から話しかけないとカズと仲良くなるチャンスを逃してしまう気がしていた。 しかしいつも松山が近くにいて話しかけることができずにいた。 結衣は、どんなことを話そうかいつも考えいた。 結衣は友達の早紀だけには、本当のことを話していた。 早紀は驚いた。まさかあの結衣が自分から話しかけようとしているなんて。 結衣はカズに興味があった。好きとかの感情とは違っていた。好きになるにはあまりにもカズの情報が少なかった。 カズは松山と喧嘩をして、一人でいることが多くなった。 結衣は勇気を持って話しかけてみた。 カズは結衣を見ずに受け答えをした。しかしだからと言っていい加減なことはしなかった。 カズが結衣に対して照れ隠ししているのが、結衣にもわかっていた。 時間が経つと、カズは結衣と向き合って話すようになっていた。