先生が最初で最後だよ
神里はそれに気付いたらしい。

さっと理奈の腕を持ち上げる。
神里の目が、異常なくらい泳いでいた。





「別に痛くないからいいよ。
傷ついたって、何も害は無いから。
あっ、早く処分を言ってよ。
停学でしょ?
学校で作業かぁ、大変だなぁ~」




どうしてだろう。
また涙が溢れる。
零れる。

溢れ、零れる。






「…………。」

「痛かったよな。
ごめん。
つい、女だと言うことを忘れて、手首をきつく掴んでしまった。
岡田、ホントにごめん。」




「………………女じゃ無いからいい。」


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