彼岸花
棺の中にある一際目立つ赤い花。
雪には見慣れてない花。
『お母さん一つお伺いしても良いですか?この花は...?』
少し言いかけた所で雪が何を聞こうとしたのか分かったお母さんが口を開く。
『彼岸花って言うのよ。昔からこの子は彼岸花好きでねぇ。何が良いのか私にはさっぱり分からないけどちょうど咲いてるのを見つけたから一輪だけ入れてあげたのよ。』
その時は雪もただ単に聖人が好きだった花だとしか思って居なかった。
赤くどこか切なく見えるその花をわすれる事はない。
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