勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「紫衣、疲れただろう?」
「.........」
「寝むちゃったのか」
「.........」
しがみつく私に話しかける佐和さん。
いくら疲れてたって、そんなに早く眠ることなんてできないし...
それにいくら私でもこんな状態で眠ることなんて....以前ならあったかもしれないけど、今日は眠ったりしない。
佐和さんのシャツをギュッと握りこんで体を寄せた。
これでもかってくらいに密着したら...佐和さん、私を抱いてくれますか?
「紫衣?」
体に力を入れて佐和さんにしがみついたまま彼の胸に顔を埋める私に優しい声が響く。
佐和さんは私を呼びながら髪をゆっくりと梳いてくれる。
とても心地いい感覚に瞼がどんどん重くなる。
このまま....佐和さんの体温を感じて眠り...
「眠ったらダメなの!!」
いけないいけない。
いつもの調子で佐和さんに髪を撫ぜられて、うっかり寝ちゃうところだった。
でも佐和さんは少しもビックリした反応がない。
それどころが小さくため息をついたのが聞こえたんだ。
どうして?
どうしてなの?佐和さん。
佐和さんは私を抱きたいって思わないの?
抱きたくないのかな?