勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
普段なら聞けないことを今日は聞こうと思う。
それだけの勇気が今日の私にはある。
それは佐和さんが大好きだから。
怖いとか恥ずかしいとか、そういう気持ちがなくなったわけじゃない。
だけど、それ以上に佐和さんに近づきたいって思うから。
だから今日はこのままにして眠るなんて普段と同じことはしたくない。
「佐和さん、私は疲れていません」
「......」
「佐和さんこそ疲れてるんじゃないですか」
何も答えてくれない佐和さんに、少し苛立って口調がキツクなってしまったけど、我慢できなかった。
私の覚悟を無駄にしないでって心の中で叫んだ。
どうして迷うの?
今になって、私という存在が重荷になったのかな?
何も答えてくれないから思考が暗い方向に傾いていく。
「佐和さん....」
「紫衣...」
泣いてはいけないとグッと堪えるからどんどん体が硬くなっていく。
泣いたら佐和さんの負担になるでしょう?
私は佐和さんの本当の気持ちを聞きたいの。
泣いて困らせてなんて、そんなことしたくない。
だから....
早く佐和さんの気持ちを聞かせて。