勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
言いきったら涙が溢れた。
たくさん失敗したから佐和さんに変な負担をかけてるんだって思ったら情けなくて..悔しくて涙が止まらなくなった。
だけど、このままなんてもう嫌。
私だって前に進みたい。
戦国の女は自分で殿方を選ぶなんてできない。
でも現代は違うんでしょう?
誰と恋をしてもいいんでしょう?
身分なんて関係なく好きって気持ちだけで結ばれるのでしょう?
だから、お願い。
佐和さん、私を選んで。
佐和さんの体に覆いかぶさるようにして口づけをした。
受け止めてほしい。
ただそれだけの気持ちで.....。
佐和さんの体の上に自分の体を重ねて何度も何度も口づける私に最初はビックリしていた様子の佐和さん。
だけど気が付いたら私が佐和さんに組み敷かれている状態で、私を見下ろす佐和さんの瞳が熱を持っている。
「佐和さん?」
怒らせてしまったかな?
ぴったりと重なる体。
全身に感じる佐和さんの体重。
私の顔の両側に置かれた佐和さんの手が体を支えているから全体重がかかっているわけじゃないけど重い。
「情けないな」
情熱的な瞳に薄らと影を持って呟かれた佐和さんの言葉。
「どうして?」
何かいけなかったのかと不安に襲われて涙が滲んでくる。
「紫衣にこんなことさせるなんて俺が意気地がないからだろ?」
「意気地ですか?」
「あぁ...」
「どういうことですか?」
「紫衣を大切にしたいと思うから紫衣にはいつまでも綺麗でいてほしかった」
「それが私の幸せだと思ったんですか?」
「あぁ」
「そうじゃない!!そうじゃないです」
「それがわかって今本当に自分が情けないと思ってる」
「そんなふうに言わないで…」