勝利の女神になりたいのッ!~第2部~


大切にしたいから戸惑うなんて気持ちがあったんだ。


私が生きてきた世界は欲に忠実で、相手を思うよりも自分の気持ちに素直に行動する。


だからうっかり忍び込んできた誰かに、一夜のうちになんて事が普通にあったりしたから…


初めて知った佐和さんの気持ち。


大切だからこそ抱けないって気持ちがあるんだね。


「紫衣…」


「はい」


「今何考えてる?」


佐和さんに問われて今思ったことを言葉にした。

「戦国時代はいい意味で素直なんだな。今の時代もそう変わらないのかもしれないけど、忍び込んでなんて犯罪になるよな」


苦笑いを浮かべながら言葉を落とす佐和さん。


確かに同意がなければ犯罪になっちゃうね。


「欲に正直か…」


ポツリと呟く佐和さんは熱い眼差しで私をみつめる。


「佐和さんは?佐和さんは私に欲情しないの?」

佐和さんと視線を絡めながら問いかける私に大きくため息を吐き出してから佐和さんは私の首筋に顔を埋めた。







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