勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
首筋から下へゆっくりとおりていく佐和さんの唇。
彼の唇が触れる度体がぴくりと跳ね上がる。
「ンァー…ッフんん…」
息が上がって私の口からは甘い吐息が吐き出されていた。
彼の指が体の線をなぞるように滑る度、私の唇を割って出てくる恥ずかしいくらいに甘い声。
我慢したいのに、声が出ちゃうよ。
「紫衣ー…」
恥ずかしさに耐えきれず、掌で口を覆うと
「我慢しないで、素直になるのが一番だって話しただろ?」
甘い甘い囁きが耳元で聞こえた。
我慢しない?
素直になる?
それとこれは違うんじゃ…
「ん…んあっ…」
「素直に俺に全てを預けるんだ」
耳にかかる佐和さんの吐息と、強引な強い口調に私の心は大きく反応した。
優しいだけじゃない強い佐和さん。
それは初めて見る佐和さんで、とても逞しく私の瞳に写った。
「ん?どうした?」
ジッと見つめる私を見下ろす形で問いかける佐和さんに何故か胸がきゅんと高鳴る。
普段の優しい佐和さんにこんな一面があったのだと思うと、ほんの少し体が震えた。
だけどそれは、怖いからではなく私が知らなかった佐和さんの男の部分に触れられた喜びから生まれてくるもので、
「佐和さんの強さと強引さに…」
スルリと言葉が唇から零れ落ちてハッとした。
私ったら…
何を言おうとしてたの?
慌てて口を噤む私を見下ろしたまま口の端を僅かに上げて笑みを浮かべる佐和さん。
視線を絡ませたまま佐和さんはソッと唇を開いた。
そして彼の唇から出てきた言葉は
「興奮した?」
私が飲み込んだ言葉で、一気に顔に熱が集まるのを感じた。