雪情
【カモシカー5】


「全員出たなんて
犯人は予想できないと
思うがね。

大丈夫だ、
ワシに任せておけばいい」






白井は
あんまり納得できない
ようである。






それを
田崎は見透かした。





「納得できないって
顔だな。

今はヘタに川上さんを
刺激しない方がいい、

このことを言って
一人で捜索に行かれたら
もっと危険だから、

ワシ達が早く
雪男を捕まえねば
ならんのだよ」






「一人くらい
残しといた方がいいって」






心配しているから
そう言うだろうが、

ここまで来るのが
面倒だからと言う風にも
聞こえる。






「少なくとも
ワシ達の方が
雪男の遭遇率はあるんだ

余程
危険な相手らしいから、
3人じゃ少ないと言う
判断だ」






そんな危険なら、
俺を巻き込むなと
白井は思った。






「そんなに危険なら
俺を巻き込むなって
考えているな?」







思っていたことが
ピッタシ田崎は当てた。






そのことに
白井は吹き出しそうに
なった。





「やっとあんたも、
俺の性格掴んできた
ようだな」





「そうかね」





田崎は
そう一言だけ言った
だけだった。





そんなことをしている
内に森を抜け、

先に山の頂が見えてきた





「あれ頂上だろ?
早く行こうぜ」





そう白井が言うので
田崎も



「そうだな、
じゃあ皆さん
急ぎましょうか!」





と言い
ペースを速めた。





しかし
そう遠いところでは
ないので、

ペースを速めなくとも
予想より早く
着くことができたの
だった。





「大久保さん、
ここが頂上ですか?」





「そうですよ、
もう少し先を歩けば
下りになり、

降りれば町側の麓ですよ」
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