雪情
【予感の的中ー3】


大久保や小川も銃を構え
入る準備ができたようだ



「では皆さん
心して入りましょう」



田崎はポケットに入れた
懐中電灯を取り出し、

ライトを点け
洞窟に近付いた。



この懐中電灯は
家に一つしか
なかったので、

田崎が持つことに
決めていた。



そして
洞窟の入口から
光を当てたが
奥は暗くて見えず、

中は以外にも広い洞窟
だということが
分かった。



田崎達は
洞窟の中に入り
奥へと進んでみる事にした。



天井は高く
屈まなくとも
楽に入ることができ、

大人四人が
優に入れるスペースで
あった。




「ん?」




少し歩いたとこで
田崎は立ち止まった。



そこはもう行き止まりで

誰かが潜んでいる
形跡もなかった。



「なーんだ、
結局何にもなかったな」



白井は拍子抜けたように
言った。



他の皆も
気が抜けたようで
ホッとしている。



「ふう、
この洞窟には
いなかったようだね」



「何安心したように
言っているんだよ。

普通いなくて
ガッカリなはずだろ?

表情が喜んでいるぜ」



と白井は言うが、

その通り
田崎は雪男がいなくて
どこかホッとしていた
ようだ。



さすがに表情までは
ごまかしきれなかった
のだ。



「でも、
これからどうします?」



「何か
雪男の痕跡があるか
探して見ましょう。

もしかしたら、
食料とか武器とか
転がっているかも
しれんしな」



田崎は大久保に言うが、

見ても分かるように
この洞窟には何もなかった。



「おいおい、
どうせ何もないだろ」



白井は
周りを見渡しながら言った。



「バカモン。

細かいものにも
目を配らんか。

何も落ちているのは
缶詰とか
目に付くものばかり
ではないぞ」



と田崎は
細かく地面を見ている
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