雪情
【予感の的中ー6】


「雲行きが怪しいですね

そろそろ戻りますか」




「そうですな。

では、帰りますか」




そう田崎は答えた。




白井は
何か面白くなさそうだ。




(チェ、
俺が言っても
駄目なくせに

何で俺以外の人が言うと
アッサリ了解するんだ)




「何か不満そうな顔だな」




田崎が見透かしたように
言うので、

白井は少し焦った。




「い、いや、別に~。

そんなことより
早く帰るなら行くぞ、
寒くて仕方ない」




「ワシの方が
薄手なんだから
我慢しろ」




田崎は相変わらずの
薄手のコートであった。




「そういや、
アンタそれで
寒くないのか?」



「防寒着のスペアが
なかったから
仕方ない。

まあ早く帰るに
越したことない」



その時
心配そうに
小川が話しかけてきた。




「何か
このカモシカ
見ていると、

置いてきたさゆりが
心配だ。

早く帰ろうぜ」



家を離れて
だいぶ時間が過ぎている



心配するのも
無理がないであろう。




「さあ帰りましょうか」




田崎達は
その場を去ることにした



林道を抜けると
急に天候が変わった。



ゴウ!と強い風と共に
雪もちらつき始めた。



これで
さらに雪が増えれば
完全な吹雪である。



「家まで
まだまだありますな!
皆さん急ぎましょう!」



風のせいで、
またも
大声で話さなければ
ならない状況に
なってしまっている。



「おい、
また道に迷うなんて事
ないよな!?」



「これで降らなきゃ
迷うことはないよ!」



と田崎が白井に言った
途端、

雪が降り
吹雪になってしまった。



「あんた
やっぱ今日は
よっぽど運ないな!!」



白井にそう言われた通り

今日は余程
ついていないようだ
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