幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
「なっ!悪いかよ!!俺はただあの場所から早く花音を連れだしたくて……あっ……」
やっぱり、あたしと棗の間に何かあったってわかってたんだ……
「……ありがとね。蓮」
「いや…。それより大丈夫なのか?」
「…うん。……ねぇ、棗は誰を待ってたの……?」
「………美羽だよ…」
遠慮気味な小さな声で蓮がそう言った
「……そっか…」
何、改めて落ち込んでるの?
2人は両思いだったんだよ……
早く…早く…忘れないと……
2人を祝福してあげられるように…
「ねぇ!」
「へっ!あっ?何?」
突然話しかけたせいか、少し驚きを見せた蓮
「映画、観に行かない?最近観たいのあったんだよね――」
無理に明るく言った
そうしないと、自分を保てそうになかったから……
「………花音…。そうだな!映画館行くか!」
「うん♪」
ごめんね……
ごめんね…蓮……。
今だけ蓮の優しさに付けこませて……