Painful Love※修正完了※
え……?と状況が分からず拓斗の背中を見れば
今まで目の前に居た拓斗は、もう階段を駆け上がって居た。
その先には、スーツを着た1人の女性。
拓斗の声に気付いたらしく
慌てて拓斗が来ている反対の通路へと行こうとするけれど
行き止まり。
ああ、時雨さんだ、とぼんやり思った。
行き場の無い時雨さんに近付いていった拓斗は、
何の戸惑いも無く時雨さんを自分の腕の中に収めた。
あぁ、これがあの2人の絆、なんだ。
私が拓斗君と出会う前からずっとあった、拓斗と時雨さんの。
約3年間、ずっと一緒に居て拓斗から抱き締めてなんて貰えなかったのに。
今こうして、何の戸惑いもなく時雨さんを抱き締めた。
ずっと一緒に居たのに。
拓斗は簡単に、時雨さんの元へ行ってしまう。
私から、離れて行ってしまう…………。
それほど、拓斗の中の時雨さんは大きいんだ。
何年経とうが、変わらない。
「絶対帰って来ない、と思ったんですけどね……」