Painful Love※修正完了※
時雨さんに出来なくなった事を私にする為に。
無茶して、でも言わなくて我慢してずっと傍に……
「婚約、おめでとうございます。……幸せになって下さいね、二人共」
帰ろうと、
隣に置いてあったバックに手を伸ばして立ち上がる時雨さん。
「あのっ!」
少し、腰を浮かした時雨さんに私は両手をテーブルの上で握り締めて呼び止める。
動作を止めて、首を傾げた時雨さん。
「最後に……聞いても、良いですか?」
時雨さんが最後に私にお願いしたように、
私も最後に時雨さんに聞きたかった事を聞く。
―――聞きたい事。
ずっと、疑問に思っていた事。
「時雨さんは、拓斗の事がずっと好きなんでしょう?……今でも。
どうして、何も言わずに消えてしまったんですか?」
拓斗がずっと時雨さんを好きなように、
時雨さんも拓斗を想ってるんでしょ?
さっき、拓斗を気遣う言葉を発している時雨さんを見て思った。
疑問をぶつける私を見て、時雨さんはきょとんとしていたけれど、聞いた後また微笑む。
「……拓斗には幸せになってもらいたいからです。幸せに、してあげて下さいね」