Painful Love※修正完了※

お水を掛けて、行きに買ったお花を備えてしゃがみ込んで両手を合わせる。





「わたし、もう4回生になったよ」




あの時は、まだ高校生だったのにね。

スーツ姿も、様になってるでしょう?


「来年、大学を卒業するよ。知ってると思うけどね、ここから離れて、1人暮らししながら通ってるんだ。

本当に1人で、家事して勉強して。
……もう、すっかり1人に慣れちゃった」

1人に。

ただいま、って言っても誰も応えてくれない事に寂しくなっていたのは最初だけ。


寂しくないかと聞かれたらそれは、未だに寂しい。


だけど慣れと言うものは恐ろしくて。

慣れてしまえば、他の一人暮らしの人もそうなんだと思ってしまえば平気になった。

「一人っ子って親が居なくなったら本当に一人になっちゃうんだね……」




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