Painful Love※修正完了※
「すみません」
「マンションの事……もう考えたの?」
このマンションの事。
ごめんなさい、
やっぱり初日に言った事から、何も変わらない。
「売って下さい」
「本当に良いの?お金の事なら気にしなくても良いのよ?」
どうにかしてこの大切な家を残してくれようとするのはとても嬉しい事。
だけど……
「誰も居ないのに、やっぱり基本使用料を毎月取られちゃうのは勿体ないですし、それに誰か住んでないと家は悪くなる一方ですから」
誰か別の人に住んで貰った方が、家だって良いに決まってる。
「……そう。時雨ちゃんがそう言うならもう何も言わない。だけど、たまには新しい私達の家の方に顔を出してちょうだいね?」
来なきゃ叔母さんから行くから!
なんて、ニヤって笑った叔母さんに泣きそうになった。
「ありがとうございます」
支えてくれて。
このマンションに住んでくれて。
「……拓斗君には、言ったの?」
「いいえ。また、黙って行っちゃう事にしました」
再びチャーハンを口に運びだす。
「……あの子、きっとまた悲しむわ」
「また来るって言ってたので、来た時には『ごめんね』って言って貰えますか?」
叔母さんは黙って頷く。
「良いの?時雨ちゃん拓斗君の事好きなクセに〜」
「うっ……」