Painful Love※修正完了※






―――まだ午前中の早い時間。


連休が終わってない事もあって、学生の姿はあんまり見かけ無い。


「大丈夫?忘れ物無いの?」

向こうで食べる為の料理が入って、


少し重たい紙袋を持たされたわたし。







「大丈夫です」


ふふ、と笑いながら答えれば、

心配そうな叔父さんと叔母さん。


あのあと自分の部屋を片付けたり、

帰る準備をしていればあっと言う間に夕方になっていて。


帰ってきた叔父さんには、夕食の時に明日帰ることを告げた。


叔父さんも叔母さん同様、


あまりに急な事に驚いていて。


マンションの事もやっぱり納得してくれなかったけど、

叔母さんの「時雨ちゃんが決めたんだから……」の声に渋々頷いてくれた。

わたしの乗る電車が到着するアナウンスが聞こえて、わたしは叔父さん達に向き直る。


「叔父さん、叔母さん、本当にありがとう」

「気を付けてね」



わたしの頬を撫でてくれる叔母さん。


「何かあったら遠慮せずに電話、会いに来るんだぞ」

叔父さんの優しい言葉に、頷く。

「ありがとう」


ホームに滑り込んできた電車。



窓際の席へと座り、すぐに動き出した電車の中からホームの叔父さん達に手を振る。



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