Painful Love※修正完了※
「佐奈子?……俺。今から会えないか?」
『今から……?』
「そう」
『分かった。準備があるから、拓斗家で待ってて?拓斗の家に行くから』
そう言われて電話を切ったのは30分前。
話があるとわざわざ大学のない休日に呼び出したのだから、
迎えに行くつもりだった。
佐奈子から来てくれると言う言葉に拍子抜けしたけど、
大人しく待つ事にしてベットに寝転ぶ。
俺の家……と言うのは、もちろん実家の方の家。
ここなら高い確率で母さんが居るから。
佐奈子と二人だけ、の空間になりたくない俺は家に招く時は必ずこっちの家を選んだ。
……馬鹿だよな。
時雨と再会して、4年前より成長して大人っぽくなった時雨を見た今だから思えるけど。
再会する前の俺の中の時雨は、
最後に会った高校の卒業式の状態で止まってた。
―――どうして出ていったんだ?
大学も……後から聞けば受けてなかったらしい。
一緒に受けに行ったはずなのに。