Painful Love※修正完了※
「あ」
ドアを開いてから、
佐奈子は思いついたように俺に振り返った。
「黙ってようと思ったけど、振られたし、どうせなら二人に幸せになってもらいたいからもう教えるね」
ニッコリ笑う佐奈子に首を傾げる。
「時雨さんが消えた理由と、時雨さんから見た拓斗の事。知ってる?」
……消えた理由。
知らない。
俺が頼りないからじゃないのか?
首を左右に振ると、ハァ、と溜め息を吐かれた。
「拓斗は、人一倍責任感があって自分の事を顧みず無茶したり頼られるとそれに応えようと頑張って辛くても誰にも言わないから、気付いてあげてって。
でね、消えた理由は“拓斗には幸せになってもらいたいから”って。
私にはよく分からなかったけど、結局全部拓斗の心配ばかりみたい」
時雨が……そんな事を?
「じゃあね、大学では会うんだし、上手くいったら報告してね、一応」