Painful Love※修正完了※


またいつものように拓斗は学校へ行くだろう。

静かになったドアの向こうに耳を澄ましていた時。







ドンドンドン!

いきなりの騒音に、ビクッと反射的に体が跳ねる。


「……時雨、ここ開けろ」


……今日の拓斗は、いつものようにはいかなかった。

激しく騒音を起こすドア。


そして、拓斗の大声。

いつもなら「行ってきます」で終わるのに。

いつもと違う展開にわたしは驚き叩かれ続けているドアへと視線をゆっくり移した。


「起きてはいるんだろ?とにかく、ここ開けて」

ドンドンと大きな音の中で負けじと叫んでいる拓斗の声。



……今日は無理矢理連れて行こうとさせるつもりなの?


嫌だ。


わたしは今、どこにも行きたくない。

こんな悲しい気持ちに暮れている時にも学校へ行き勉強をしろって言うの?


返事もせず、両手で自分の耳を覆った。


少し拓斗の声や騒音が小さくなっただけで、消える事は無い。





< 76 / 241 >

この作品をシェア

pagetop